別処山古墳は、別処山運動公園内にあった全長約37mの前方後円墳(ぜんぽうこうえんふん)です。公園の工事のときに、発掘調査(はっくつちょうさ)が行われ、埋葬施設(まいそうしせつ)である横穴式石室(よこあなしきせきしつ)が見つかりました。この石室は川原石(かわらいし)を使ってつくられていて、内部からは刀(銀装大刀・ぎんそうたち)1振、鏡(三鈴鏡・さんれいきょう)1面、耳かざり(銅地金銅張耳環・どうじこんどうばりじかん/錫製耳環・すずせいじかん)3点、鉄のやじり(鉄鏃・てつぞく)9本、小刀(刀子・とうす)2点のほか、壮年期(そうねんき)の男性の人骨が見つかりました。大刀は銀を多く使い、把頭(つかがしら)に鈴(すず)を納めるなど、儀式用(ぎしきよう)と考えられますが、すぐれた装飾(そうしょく)や技術力(ぎじゅつりょく)によってつくられていて、古墳の大きさに似合わないほどすぐれたものです。