回廊とは、寺院の中心部を区画するための廊下(ろうか)です。下野薬師寺跡の発掘調査によって、南北105メートルにわたる回廊の基壇と、焼け落ちた瓦がたくさん見つかりました。発掘調査のデータをもとに、回廊の北西隅にあたる部分の建物を復元しました。柱の位置には、凝灰岩(ぎょうかいがん)製の礎石(そせき)を配置しています。回廊からは、灯明皿(とうみょうざら)がたくさん見つかりました。灯明皿は、エゴマなどの油を燃料にして明かりをつけるための器です。万灯会(まんどうえ)とは、灯明皿に明かりを灯しながら、この世の人々の罪を仏に懺悔(ざんげ)する法会(ほうえ)です。
回廊からは、万灯会が行われていたと考えられる灯明皿がたくさん見つかりました。