この絵馬は、奉納(ほうのう)した理由は不明ですが、奉納されたのが文化元年(1804)と古く、縦(たて)150cm、横(よこ)180cmと大型で、繊細(せんさい)に描(えが)かれた人物や波は、約200年経った今もきれいに残っていることから貴重(きちょう)なものです。
絵馬というのは、もともと神社に祈願(きがん)または感謝(かんしゃ)の気持ちを表すために奉納(ほうのう)する、馬の絵を書いた額(がく)のことです。古代には、神馬(しんめ)といって生きた馬を奉納していました。例えば晴天(せいてん)を祈願するときは白い馬を、雨乞(あまご)いをするときは黒い馬を神社に奉納していたようです。しかし、奉納するほうも、される神社も管理に手間(てま)がかかるところから、木馬(もくば)や紙の馬が奉納されるようになり、それが後に絵馬になったのです。