県内に現存する紀年銘のある宝塔としては最古のもので、関東地方でも代表すべき宝塔のひとつです。この塔は、高さが177.1cm、凝灰岩で造られ、軸部下方には一部欠けた部分もありますが、20行にわたり銘文がきざまれています。それによると、元久元年(1204)に佐伯伴行という人物が妻とともに大檀那となり亡き父と母の菩提を弔うために造立したとされています。
銘文読み下し
本覚の真法身に帰命し、妙法の心蓮台に常往す、本より来三身の徳を具足し、三十七尊の心城に往す、
六大は無礙にして常に瑜伽なり、四種曼荼は各々離れず、三蜜加持すれば速疾に顕る、重重帝網なるを即身と名づく、
八葉白蓮一肘の間に、阿字素光の色を炳現す、禅智倶に金剛縛に入って、如来の寂静智を召入す、
右の志は、過去の慈父、現在の悲母、成仏得道し、大菩薩を証ぜんがため、造立す。
元久元年大歳甲子、十二月十八日、大檀那佐伯伴行、縁友藤原氏、同、
行事僧 山小聖、
大工伴宗安、小工揚侯行真、