宝篋印塔は「宝篋印陀羅尼経」を納める塔で、鎌倉~南北朝時代にかけて盛んに建てられました。この黄梅寺の宝篋印塔は、享保20年(1735)に造立されたもので、塔身部四面に金剛界の四仏が梵字で、基壇上の基礎四面には2字ずつ八大菩薩種子が彫られているほか、蓮華の請花上部2段目の基礎四面に銘文が刻まれています。笠部は重厚で外方に反り返っており、相輪部は請花と宝珠からなる九輪です。銘文の中に「享保20年星紀乙卯仲春鬼宿日」(1735年)とあり、江戸時代の特徴をよくとどめた大型(高さ4.7m)の宝篋印塔です。