手カンナは、かんぴょうの生産に使われる道具です。かんぴょうは、ゆうがおの実を細長くむいて乾燥させたもので、正徳2年(1712)に近江国水口城主だった鳥居忠英が壬生城に国替えとなった時に、栃木県に伝わったと伝えられています。
手カンナの使い方は、フクベ(ゆうがおの実)を「輪切り包丁」で切り、ズイ(ワタ)といわれる種の部分を小刀でくり抜き、カンナを内側にあてて薄くむいていくための道具です。フクベの上下のワタのない部分は、「突貫(つんぬき)」という一方に刃をつけた円筒形の道具で穴を開けカンナでむいていました。カンナは左手で押さえ、右手で輪切りを向こうに回してむくもので、むく厚さによって数種類のカンナを使い分けていました。枠は木製から金属製になり、現在はプラスチックが用いられています。昭和の初期まで主流として使用されていました。
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